消費者の皆さまへ

季刊広報誌「清飲彩」

ソフトドリンクLIFE
清涼飲料と健康のおいしい話

九州大学大学院 医学研究院 統合生理学助教
高木厚司(たかきあつし)

夏の節電時の熱中症対策——
水分と同時に充分なミネラルの補給を
適切な飲料水の摂取で二次被害を予防

1959年生まれ。愛知県出身。1984年九州大学医学部心療内科に入局。専門は、環境生理学、心身医学。2001年に簡易の遺伝子損傷評価法を開発し、「食」「環境」「健康」分野の総合コンサルティング事業を展開。2004年より(株)TASプロジェクト(TotalAnalysis & Solutions)の代表取締役を兼業。

3月11日に発生した東日本大震災以後、災害の連鎖が今も続いています。あらためて被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。

今回の震災では、自然災害の規模以上に、原子力の平和利用の是非が世界的に議論され始めたことが大きな特徴です。何十年か後に、「3・11」が、人類進化のベクトルが変化した日付として記録されることになるかもしれません。いずれにしても、従来のエネルギー集約型で大量生産と大規模流通が求められる仕組みから、資源やエネルギーを循環利用し、情報とエネルギーを地域分散する社会インフラの再構築が求められています。

そのような中、東京都知事の節電に関する発言から、全国各地の屋内外で稼働する清涼飲料水の自販機が、節電の対象として注目されることになりました。しかし、災害時の情報端末機能まで兼ね備えた最先端の節電型自販機が、大変優れたものであったことがかえって評判になったようです。

また震災直後、最初の支援が到達するまでの3日間の衛生的な飲料水の供給源(保存場所)として、自販機が大きな役割を果たしていたのも事実です。そして、節電で冷房がままならない酷暑の夏を迎え、避難所や仮設住宅に限らず一般の方々も、熱中症対策として、充分なミネラルを含有した飲料水の確保がとても重要になってきます。

リスク軽減素材として天然色素や水素水に注目

今回の震災のもうひとつの特徴は、水・空気・土壌や食品素材の放射能汚染です。低濃度の慢性的な放射線被曝(おもに内部被曝)では、二次的に誘導される活性酸素が引き起こす遺伝子損傷が原因となり、遺伝子変異やがんを誘導するリスクが高くなるとされています。

しかし、大量の放射線が降り注いでいた原始の地球環境に生息した生物種(たとえば、藻類)の多くは、遺伝子損傷の発生を抑制する天然色素を生合成する生存戦略をとりました。チェルノブイリの原発事故対策や、宇宙空間での高濃度放射線曝露を前提とした宇宙医学の世界でも、原始生物が産生する天然色素が持つ放射線傷害の予防効果に関する研究がなされています。

加えて、最近注目度が高まっている水素水も、その活性酸素消去能が放射線傷害にも有効であるとの報告があるようです。30億年の生命の歴史に裏付けられた私たちの遺伝子は、じつは、意外にタフなような気がします。

*【参考】
一般社団法人水素研究会 http://hra-japan.org/index.htm
放射能障害によって生じる遺伝子損傷について http://www.tasproject.com/

 

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