清涼飲料の文化史
食文化史研究家・西武文理大学客員教授
永山久夫
足軽たちの青竹水筒[戦国時代の清涼飲料水]
戦う男たちにとって、水は塩に劣らず重要である。戦いがはじまると、肉体を極限まで酷使するから、発汗量が多くなり、のどの渇きも激しくなる。
人間は食べ物をとらなくても、水の補給さえ確保できれば数十日は生存できるが、水がきれると血液の濃度が高くなって、その循環がとどこおり、心臓や脳の機能が低下して、一週間位しかもたないという。
緊張が続く戦場ではのどが非常に渇きやすく、特に夏は息切れして疲れることが多い。腰※兵糧を使うにしても、飲料水がなくては難儀である。
「野戦、城攻めにかぎらず、水無くては息が切れて役にたたぬもの也」と兵法書にもある。
このため、足軽たちもさまざまな工夫をこらして水筒を作ったが、簡単でどこでも入手できるという点で「竹筒」が一番多い。
足軽たちに人気があったのが青い竹筒。竹には殺菌作用がある上に、かすかな甘味も生じて水がうまくなった。この竹筒に小さなヒョウタンをつけ、その中にサンショウやコショウなどの粉を入れ、食中毒や疲れとりなどにした。上位の武士は金属や皮などの水筒を用いている。
※当座の食料を各自で腰に付けて持参していました。
イラスト:中川 学















