清飲スクエア
地域とのハーモニー(15)
全国の中小企業会員の中には、自治体などと連携して地域独自の清涼飲料を開発している会員社があります。今回は、愛知県にある中京サインボトリング協業組合の活動をご紹介します。
美味し麗しの郡上八幡の天然水で江戸時代から続く伝統文化を応援

中京サインボトリング協業組合
愛知県北名古屋市高田寺中外浦8番地
TEL:0568-21-4501
地元の水を使ったサイダーを飲むことで地域の伝統文化を応援してほしい

(財)郡上八幡産業振興公社
営業企画 池ノ上将洋さん
「郡上八幡では飲料水だけではなく、暮らしのさまざまなシーンに水が入っています。ぜひ、この土地へ来て水の良さを実感してください」
山に囲まれ、カルスト台地を通った清冽な水が集まる郡上八幡。この地で昨年6月に誕生した名物が「郡上八幡天然水サイダー」だ。郡上八幡産業振興公社では、これまでも中京サインボトリング協業組合に委託して地元の水を使ったミネラルウオーターを製造・販売していたが、夏の郡上の風物詩・郡上踊りの後や、観光の町歩きで渇いた喉を潤す爽やかな飲料を作ろう、という目的で新たに生み出された。
そして、池ノ上さんたちが「せっかく地元の水を使うのなら、少しでも地元を応援することはできないか?」と考えたときに、思い浮かんだのは水と並ぶ郡上の名物・郡上踊り。地元には踊りを保存するための保存会や、次の世代へ伝承するためのジュニアクラブがある。そこへ売り上げの一部を寄付することとなった。「まずは地元の人に自分が住んでいる地域を応援して欲しい。そして、観光で訪れた人もサイダーを飲むことで郡上踊りをサポートしてくれれば」と、池ノ上さん。新たに生まれたのは新商品だけではなく、住む人と訪れる人がともに参加できる、水の町ならではの地域応援スタイルだ
ミネラルが多い水は炭酸がのりにくい。しかし、その柔らかい喉ごしが「のどが渇いたときに、一気に飲める」と好評だ。ラベルの裏にはこんな図柄が。
ラムネの製造風景
城下町・郡上八幡で江戸時代より続く郡上踊り。7月中旬から9月上旬にかけて32夜にわたって続けられる。
郡上八幡は水の町。道路の脇にも水路があり、サラサラと心地よい水音が絶えない。
製造者の積極的な提案から生まれた天然水のうまみを生かしたサイダー

中京サインボトリング 協業組合
営業部長 荒川浩行さん
「いろいろと苦労はありましたが、ネットの掲示板などで“おいしかった”と感想を書いてくれているのを見ると、作ったかいがあった!と思えます」
「郡上八幡天然水サイダー」を作っているのは、昭和45年の創業以来、地域密着で業務用飲料を中心に製造している中京サインボトリング協業組合。所在地は郡上八幡のある岐阜県のお隣・愛知県だが、以前から郡上八幡の水で業務用ミネラルウオーターを製造しており、「水」を介した縁があった。
まず最初に委託され製造したのはミネラルウオーター。小売用のペットボトル入り飲料は初めてで苦労も多かったが、「郡上八幡の湧水」として製品化した。その数年後、昨年1月に「次は何か炭酸系の飲料を作りたい」という相談を受け、「それならサイダーがいい!」と提案。通常、このような委託ではすべて先方の意向に従って製造することも多いが、今回は荒川さんが積極的に案を出していった。「ラベルには郡上踊りを配し、レトロ感と爽やかさを」「味は安定した硬度分がある郡上八幡の水の良さを損なわず、天然水そのもののうまさを生かそう」。
こうして郡上八幡の上質な天然水と池ノ上さんの地元を思う気持ち、荒川さんの積極的な提案が出合うことによって、水の町に新しい名物が誕生した。















