清飲スクエア
地域とのハーモニー(14)
全国の中小企業会員の中には、自治体などと連携して地域独自の清涼飲料を開発している 会員社があります。今回は、広島県にある齋藤飲料工業株式会社の活動をご紹介します。
流行に独自のアイデアをプラス!
地元発の炭酸水で福山を盛り上げる

齋藤飲料工業株式会社
広島県福山市北本庄5-7-6
TEL:084-924-6442
「もっと泡立ちを長持ちさせたい!」こだわりが生んだ理想の炭酸水
有限会社トゥエニーワン 店長
関口大盛さん
「“福山TANSAN”の名付け親は私です。そのものズバリのわかりやすい名前にしたかったので、最初からこう決めていました」
広島県福山市の飲食店で今、「福山ハイボール」が常連客たちから人気を集めている。これを作るのに欠かせないのが「福山TANSAN」。市内の酒類販売店「トゥエニーワン」の店長・関口さんの理想が詰まった、こだわりの炭酸水だ。
仕事柄、ハイボールのブーム再燃を感じていた関口さん。「バーで出すレベルのハイボールを、身近な飲食店でも味わえれば、支持されるのでは」と考え、理想のハイボール用炭酸水の製造を市内のラムネメーカー・齋藤飲料工業に依頼した。こだわったのは炭酸を強くすること。それによって泡のはじける清涼感が長続きし、おいしいハイボールを誰でも作れるようになるのだ。こうして生まれた「福山TANSAN」を使った「福山ハイボール」は、関口さんの期待通り、瞬く間に市内飲食店の人気メニューになった。「お店が“福山ハイボール”で盛り上がり、それが町全体に広がればうれしいです」と関口さん。地元愛を込めて名付けた「福山TANSAN」は、地域にすっかりとけ込み、今夜も人々ののどを潤している。
関口さんのアイデアと齋藤さんの技術の結晶「福山 TANSAN」が作られている、齋藤飲料工業の工場内の様子。
「福山TANSAN」は200軒以上の市内飲食店で味わえる。「お店でワイワイ飲んでほしい」(関口さん)との趣旨から、取り扱いは飲食店のみ。
地元の老舗ラムネメーカーが理想をそのまま製品化
齋藤飲料工業株式会社
代表取締役 齋藤廣明さん
「きめ細かい炭酸水を作るため、炭酸ガスに冷却水を流量調整しながら送り込むことで炭酸ガスの吸着を良くするなど、さまざまな工夫をこらしました」
ラムネ製造工場として明治30年に創業した齋藤飲料工業は、100年を超える歴史を重ねてきた老舗である。現在は、昔ながらのラムネのほか、ノンアルコールテイスト飲料などでオリジナリティあふれる製品も作っている。4代目の齋藤さんは、「他社にはない商品で勝負しようと、多少奇抜なアイデアでも思い切って製品化してきました」と語る。
昨春、「福山TANSAN」の製品化を持ちかけられた齋藤さんは、関口さんの「この炭酸水で、町に活気を呼び起こしたい」という地元を思う気持ちに共感し、製造を快諾。関口さんの理想を実現するため、炭酸ガスが溶けやすくなるように水を零度近くまで冷やすなど、試行錯誤を重ねた。そして8月に、地元の名を冠した「福山TANSAN」が完成した。
「ときどき、“福山TANSAN”を分けてほしいと頼まれるのですが、飲食店向けに作ったものだからとお断りしています。申し訳ないのですが」と恐縮する齋藤さん。「でも、そんなお話をいただくと、製造者として誇りに思います」と明るく声を弾ませた。















