消費者の皆さまへ

季刊広報誌「清飲彩」

ソフトドリンクLIFE
新・清涼飲料おもしろランキング―6
〜飲料から地域の嗜好が見える!?〜

株式会社ナンバーワン戦略研究所所長
矢野 新一

【近畿編】
パン食が多い近畿はコーヒー・ジュースがお好き?
飲料は自分で入れる近畿でもコーヒー・ジュースは好まれる

地域マーケティングの専門家で、各都道府県や地域に合ったマーケティング戦略をコンサルティングしている。また、県民性研究の第一人者として、テレビ出演、講演、雑誌監修等で活躍。著書に『県民性は7392 通り!』(H&I)、『都道府県別ヒット商品の法則』(青春出版社)ほか多数。

近畿2府4県の人たちの清涼飲料の嗜好を見ると、特にこれといった傾向はなく、しいて言えば、大阪府、兵庫県、奈良県がミネラルウォーター好きというところか。ただ、ミネラルウォーターは大都市圏で好まれていて、特に近畿だけの特徴とは言えない。

じつは近畿はパン食が多い。昔から、「近畿の朝食はパン、名古屋はご飯、首都圏は半々」と言われ、今でも、近畿は食パンをよく食べる(世帯当たりの食パン購入量では、近畿の県庁・府庁所在地6市すべてがベストテン入りしている*)。早く作れて早く食べられるから、近畿の合理的な気質に合っているのだろう。パン食が多いためコーヒーをよく飲むが、コーヒー飲料はそれほどではない。茶飲料もあまり飲んでいないが、これも茶葉からのお茶をよく飲むためと考えられる。

それでも府県ごとに見ていくと、特長が見えてくる。滋賀県はコーヒー飲料とジュース。若い人が多いうえ、近畿では共働き比率が最も高いためだろう。京都府は飲料自体はそれほど飲まないが、なかではコーヒー飲料好き。京都の「和」のイメージとはつながりにくいが、じつは、京都府はフランス料理の店が日本一多い(人口当たり/タウンページより算出)ところ。京都の人とフランス人には、プライドが高く、自分の信念を貫くという共通点もある。和歌山県の人がジュースを好むのは、みかんの産地だからだろう。ちなみに、全国で最もジュースを飲んでいるのは、りんごの産地の青森県。ひょっとしたら、大阪府、兵庫県、奈良県の人たちがミネラルウォーター好きなのは、他の飲料にあまり興味を感じないのかもしれない。

近畿でのこれからの狙いは「価値のある飲料」!?

じつは、近畿は飲料自体の支出が低いところ。滋賀県の14位と奈良県の22位以外は30位台で、京都府に至っては42位である。価格にシビアな地域ということもあるかもしれない。だから、清涼飲料もお徳用のビッグサイズを売るというのも一手だが、正確には近畿はコストパフォーマンス意識の高いところ。価値を感じれば購入意欲は高まる。大阪の駅スタンドのミックスジュース(140円)が人気なのだから、価値のある飲料なら売れるはずだ。朝パン食が多い地域だけに、朝食用のドリンクの開発も面白いかもしれない。

※次号は「中国・四国編」です。

 

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