ソフトドリンクLIFE
新・清涼飲料おもしろランキング―5
〜飲料から地域の嗜好が見える!?〜
株式会社ナンバーワン戦略研究所所長
矢野 新一
【東海編】
「東海4県」とひとくくりにできないコーヒー対お茶の好みの違い
愛三岐3県はコーヒー飲料、静岡県は茶を好む
地域マーケティングの専門家で、各都道府県や地域に合ったマーケティング戦略をコンサルティングしている。また、県民性研究の第一人者として、テレビ出演、講演、雑誌監修等で活躍。著書に『県民性は7392 通り!』(H&I)、『都道府県別ヒット商品の法則』(青春出版社)ほか多数。
東海地方の人たちは、コーヒー飲料好き(缶・ペットボトル入りコーヒー)。静岡県の44位を除くと、岐阜県7位、愛知県6位、三重県8位といずれも清涼飲料のなかでは最も飲まれているし、全国でもベスト10入りしているのである。(愛知はミネラルウォーターも6位)。静岡県は茶の産地で、他のデータでみると、全国一緑茶を飲んでいるところ。お茶代わりに茶飲料が飲まれているのである。ついでに言えば、愛三岐3県の代表姓は伊藤(伊東)と加藤で、岐阜は加藤が1位で伊藤が2位、愛知県は加藤が2位、伊藤が3位、三重県は伊藤が1位、加藤が6位。対して、静岡県は伊藤が7位、加藤は11位と少ない。姓も清涼飲料も、静岡県は愛三岐3県と異なっている。つまり、エリアマーケティングからは、東海4県というくくりは正しくないのである。
それでは、岐阜県、愛知県、三重県の人は、どうして缶・ペットボトル入りコーヒーをよく飲むのだろうか? ひとつ考えられるのは、クルマに乗っている人が多いこと。眠気覚ましもあって、電車で通勤通学する人に比べてクルマの人は缶コーヒーをよく飲む。自家用自動車の保有台数は、岐阜は全国4位、三重は13位、愛知は交通機関が発達していることもあり22位だが、大都市のなかでは群を抜いて多い(100世帯あたり135台 東京51台 大阪71台 2008年3月末現在)。
コーヒー好きの岐阜県の人はコストパフォーマンスも重視
県別に見ると、岐阜県のコーヒー好きが目立つ。喫茶店のモーニングというと名古屋のイメージが強いが、岐阜県だって負けてはいない。コーヒーや紅茶にトースト、ゆで卵、さらにサラダやハムエッグ、ミニケーキが付いて350円前後。茶碗蒸しがついてくる店もある。世帯当たり喫茶代の年間支出金額は1万4481円。名古屋の1万3547円を上回って堂々の日本一なのだ(総務省「家計調査」2006ー2008年平均)。岐阜県は家庭でもパンをよく食べる地域(パンの購入量6位)でもある。また、岐阜県の人は名古屋と同様に経済観念が発達して、価格に厳しい人が多いという。つまり、岐阜県の人が缶コーヒーをよく好むのは、生活の中でなじんでいることと、コーヒー飲料のコストパフォーマンスを評価しているためなのだろう。
※次号は「近畿編」です。














