清飲スクエア
地域とのハーモニー(12)
地元のみんなに愛される地サイダーを作りたい! 高校生の熱意が生んだ新たなヒット商品
全国の中小企業会員の中には、自治体などと連携して地域独自の清涼飲料を開発している会員社があります。今回は、宮城県にあるトレボン食品株式会社の活動をご紹介します。

トレボン食品株式会社
宮城県仙台市宮城野区小田原2-3-18
TEL:022-256-4137
部活動から生まれた商品が地域から愛される名物になった
仙台市立仙台商業高等学校
商業情報研究部部長
谷春慧さん
「古くて新しい仙台のための仙臺サイダーです。湯上がりにも最高! 市内のデパートや秋保温泉、作並温泉、松島のホテルで販売していますので、ぜひ飲みに来てください!」
この夏生まれた新たなヒット商品の地サイダー「仙臺(せんだい)サイダー」。その生みの親は仙台商業高等学校・商業情報研究部の女子生徒たち。普段から商業活動の研究などを活発に行っている同部、その部員の一人が県外に旅行したときに地サイダーを見かけ、「仙台にもあったらいいのに!」と思ったことをきっかけに、部活動として地サイダー制作のプロジェクトを立ち上げた。
「地サイダー」というからには、「製造は地元のメーカーで」と、トレボン食品に依頼。社長の鶴戸さんからサイダー製造以外にも、商品の流通経路や価格戦略など、マーケティングのノウハウも教えてもらった。生徒たちは街頭アンケートでマーケティングを行いニーズを把握、鶴戸さんとともに味や香り、炭酸の量など試飲をくり返し、「仙台らしい」「地元に愛される」商品を模索した。商品が完成すると、地元の旅館や百貨店へも自分たちで営業へ。先々で大好評を得て、マスコミにも取り上げられ、たちまち人気商品になっていった。
利益を目的としない「仙臺サイダー」の収益は、「仙台のPRに協力したい」との思いから、資金難の地元イベント「SENDAI光のページェント」に寄付される。地域を愛し、地域から愛される地サイダーの誕生だ。
「250円という価格は高いが、仙台をイメージして地元の高校生が作って、儲けを取らずに財政難のイベントに寄付する。そんな商品なら間違いなく市民の協力を得られる」と鶴戸さん。
仙台= 伊達政宗。政宗公騎馬像の背景に伊達家所用の陣羽織に使用されている水玉模様を配したラベル。炭酸の泡もイメージさせる。これも部員のデザイン。
商業情報研究部は、商業に関するさまざまな諸活動をテーマに研究・活動をしている。これまでも県の特産品を使った弁当などの企画実績も。
ボランティア精神とビジネスマンの目で「この商品は面白い!」と直感
トレボン食品株式会社
代表取締役社長
鶴戸満昭さん
「社会貢献は手弁当のボランティアだけでは成りたちません。がんばって働いてちゃんと収益を上げて、その利益で貢献する、というのが私の信念です」
昭和25年の創業以来、ラムネを主力としてきたトレボン食品。二代目社長・鶴戸さんは、近年の地サイダーブームに「自社でも何か作れないか」と考えていた。
そんな折り、今年4月末に仙台商業高等学校の木皿先生から「部活で地サイダーを作りたい」との電話があった。生徒たちと会って話を聞いてみると「これは自社で出すより面白いのでは!?」と直感。収益を上げ、財政の苦しい市のイベントに寄付する、という発想もいい。
しかし、学校の部活は予算が少なく、6月に売り出すには開発期間も短い。自社のラムネの製造時期とも重なってしまう。しかも、最初の生産本数は1000本…ロスが多すぎて採算が合わない。だが、鶴戸さんはこの話を受け、休日返上で商品を作った。そして、商品は大人気を博し、あっという間に完売。「この商品は化ける!」と確信した鶴戸さんは、追加の話がくると「自分が責任を持つから」と生産量を1万本に増やし、設備投資を行い、販売まで手がけた。
普段から福祉や地域貢献に関心が高い鶴戸さんは、「今後も福祉や財政難の公共イベントなどに利益を還元できる商品として、“仙台の顔”にしていきたい」と語る。















