消費者の皆さまへ

季刊広報誌「清飲彩」

清飲スクエア
地域とのハーモニー(11)

リターナブルびんがつなぐ作り手・売り手と地域の絆
全国の中小企業会員の中には、自治体などと連携して地域独自の清涼飲料を開発している会員社があります。今回は、青森県にある八戸製氷冷蔵株式会社の活動をご紹介します。

八戸製氷冷蔵株式会
青森県八戸市白銀1-8-1
TEL:0178(33)0411

 

地域密着のためには何が大切か?郷土に根付いた味と市民生活を応援

株式会社みなとや
企画開発部長:湊 哲男さん
「子どもの頃、銭湯へ行ったら必ず父に三島サイダーを買ってもらい、男同士の秘密にしていました。こんなふうに八戸人には三島サイダーに関する遺伝子があるんですよ」

「八戸市民の冷蔵庫代わり」となっているみなとやは、昭和21年創業、現在八戸市内に9店舗を持つ地域密着型の食品スーパー。22年前から八戸製氷の三島サイダーを取り扱っている。

ワンウェイ製品と違い、回収に手がかかるリターナブルびんの製品をなぜ置くのか? きっかけは冨田照雄社長の「我々、地域密着を目指すスーパーにとって、何が大切か考えよう」というひと言だったという。そこには大手スーパーが扱わない郷土食への愛着、若かりし頃に下宿で深夜ラジオを聞きながら飲んだ三島サイダーの思い出、サイダー業者が次々に廃業する中で変わらぬ味を作り続けている八戸製氷への感謝、そしてリターナブルびんという素晴らしいシステムへの共感が込められていた。

「よくびんの回収が面倒では?と言われますが、びんを持ってお客様が来店して買い物をしてくれます。その上、ポイ捨てもなくなるし、資源の有効活用もできるんです」と湊さん。かわらない地域密着の姿勢で地元の中小企業と市民生活を応援してくれている。

 

八戸の暮らしを支えてきた会社が作る懐かしいリターナブルびん入りサイダー

八戸製氷冷蔵株式会社
工場長:橋本俊二さん
「三島シトロンは炭酸が強めでシトラス系。昔のままで、洗練されていないところがいいんです。八戸の人ではなくても郷愁を感じる味です」

もとは造り酒屋。「何か地域のためになることを」と水力発電・定期バスの運行事業で八戸のインフラを支え、大正10年に地元・三島の名水で漁業に必要な氷を作るように。そして翌年には三島の水でサイダーを作っていた同業者から営業権を譲り受け、サイダーの生産を開始した。以来、八戸製氷冷蔵は業務用の氷と昔懐かしいサイダーを作り続けている。

数年前の地サイダーブームではサイダーの売り上げが急に上がったものの、現在の売り上げの内訳は氷が9割、サイダーは1割程に過ぎない。それでも橋本さんは「ブームは一時的なもので沈静してあたりまえ。うちの会社は地域の皆さんに支えられて成りたってきていますから、地元の人から飲みたい! という要望があるうちは作り続けます」と言う。また、「地元の人に飲んでもらう商品だから回収・再利用できるびんがいい」と、リターナブルびんにもこだわる。

地域を思う橋本さんたちの気持ちと、製品を思う地域の人の気持ちが、まるでリターナブルびんのように行き来して、三島サイダーは作り続けられている。

※地方発送用はワンウエイびん。

 

みなとやでは昨年4月に新しいリターナブルびん※に変わったことを機に、びんの保証金を10円から15円に。すると約50%だった回収率が75%に上がった。
※全清飲と全国清涼飲料協同組合連合会では、全国中小企業団体中央会の活路開拓事業により、独自のリターナブルサイダーびんの開発を行い、2008 年に使用開始。

三島サイダーには、三島シトロンとバナナサイダーがある。バナナサイダーが生まれた昭和30年代には、バナナは憧れの果物だった。
※写真は地方発送用のワンウエイびん

氷もサイダーも全て17人の従業員全員で作っている。

 

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