ソフトドリンクLIFE
新・清涼飲料おもしろランキング—2
株式会社ナンバーワン戦略研究所所長
矢野 新一
【東北編】
よく飲む北と飲まずに食べる南!?東北の果物・野菜ジュース
北東北はリンゴジュースの浸透度が高い
地域マーケティングの専門家で、各都道府県や地域に合ったマーケティング戦略をコンサルティングしている。また、県民性研究の第一人者として、テレビ出演、講演、雑誌監修等で活躍。著書に『県民性は7392通り!』(H&I)、『都道府県別ヒット商品の法則』(青春出版社)ほか多数。
春はジュースのおいしい季節。東北の特徴は、昨年の秋号で触れたように、果物・野菜ジュースをよく飲むことだが、県別に見ると結構違いがある。青森1位、秋田2位、岩手5位、宮城7位、福島9位、山形22位。東北を大きく南北に分けると、北東北は果物・野菜ジュースをよく飲んでいるのに対して、南東北はそれほどでもないのである。
これは、北東北はリンゴジュースの代表である青森のリンゴジュースが浸透しているのに対して、南東北ではリンゴジュースの需要があまり高くない。つまり、リンゴジュースの分が、果物・野菜ジュースの順位差になっていると考えられる。実際、仙台あたりでも、リンゴジュースは、普段自分で飲むよりお中元の時などに用いられることが多いようだ。スーパーなどをみても、リンゴジュースよりもオレンジジュースの方が多く陳列されているし、朝食を出す喫茶店やホテルでもオレンジジュースは必ずあるが、リンゴジュースはないことも少なくない。仙台の人に聞いてみると、「リンゴジュースはあまり飲まない」という人も少なからずいるようだ。
フルーツ王国・山形県では飲まずに食べて果物摂取?
もうひとつ意外なのは、フルーツ王国の山形が果物・野菜ジュースをあまり飲んでいないこと。東北の他県に大きく差をつけられているのである。先日、たまたま山形に行ったので、現地の卸の人たちにも聞いたのだが理由はわからなかった。推測すると、子どもたちの面倒をおばあちゃんやおじいちゃんが見ていることが影響しているのではないかと思う(山形県は3世代同居率全国1位、共働き世帯比率2位の地域。いずれも平成17年国勢調査)。おばあちゃんやおじいちゃんはもとより、子どもたちも日頃から果物をよく食べているため(山形市 世帯当たり生鮮果物購入量3位/「家計調査」2005年〜2007年平均)、わざわざジュースを買うという発想が少ないのではないだろうか。
ジュースひとつとっても、同じ東北でこれだけの違いがあるのだ。
「東北」と言ってひと括りにする発想から脱却しなければならない。

(データは総務省 平成16年全国消費実態調査「地域、品目別1世帯当たり1か月間の支出」より)
※次号は「関東編」です。













