消費者の皆さまへ

季刊広報誌「清飲彩」

サイエンス・エピソード

ノンフィクション作家・宇宙航空研究開発機構嘱託
山根一眞

第2回 無重力空間における飲料水のフシギな挙動

先日、若田光一宇宙飛行士と食事をしながら宇宙体験話などを聞いたが、若田さんの座右の銘は、「地球人の世紀へ」だった。宇宙から見れば地球はひとつ、地上のいさかいなど馬鹿馬鹿しいことはやめようねというメッセージだと思う。地球の重力圏からちょっと飛び出せば、宇宙は地球とはまったく異なる世界だからだろう。

実は、私も無重力飛行を体験している。名古屋市のダイヤモンド航空が行っている「微少無重力フライト」だ。小型ジェット機で急上昇の後、急降下に転じた直後に無重力状態となり、約20秒間、体が宙に浮くのである。

この時、ストローから出る「水」の挙動を調べる実験をしてみたが、押し出した水は落下せずにストローの先端にこびりついたように離れず、玉を作り大きくなっていくばかりだった。なーるほど、宇宙で楽しむ清涼飲料には、地球上とは違う味わいがあるに違いないと思ったのだった。

イラスト:はらこうへい

 

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