消費者の皆さまへ

季刊広報誌「清飲彩」

サイエンス・エピソード

ノンフィクション作家・宇宙航空研究開発機構嘱託
山根一眞

第1回 宇宙で清涼飲料水を飲むということは?

今から数年前、商品の販売キャンペーンに「宇宙旅行」が使われた。5人の当選者が体験できる宇宙旅行は、小型のロケット宇宙船で高度100キロまで上昇し、5分で戻ってくる「宇宙弾道飛行」と呼ぶ超ミニツアーだった。無重力体験は、2分半だけだ。もっとも「当選者が宇宙へ出発」という報道はなかったので、旅行代金が贈られたのではないかと思う。

しかし、こういうミニ宇宙ツアー用の宇宙船開発は数社が競っており、実現は間近だ。日本の旅行会社JTBも、「宇宙弾道飛行」を10万2000ドル(約 1200万円)で売り出しており、国際宇宙ステーションを訪問する1週間のツアーも約24億円で参加することができる。

宇宙旅行はカネ次第の時代だが、宇宙は地球とまったく異なる世界。清涼飲料水を飲むという、地球なら100円ちょっとでできる体験も、とんでもなく大変なことなのである。

 

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