SPECIAL/【特別リポート】
団塊世代
食生活・ライフスタイルの変化と清涼飲料との関わり
2007年から本格化する団塊世代サラリーマンの定年退職を機に出現すると言われている、この世代の新たなライフスタイルや消費行動が今注目されています。昨年、(社)全国清涼飲料工業会が実施した総合調査「団塊世代の食生活と清涼飲料ニーズ 〜PART2〜」から、団塊世代のライフスタイルの変化と、それに伴う彼らの清涼飲料ニーズの変化を報告します。
戦後の第一次ベビーブーム
(1947(昭和22)年〜1949(昭和24)年)に生まれたベビーブーマーたちは、後に作家の堺屋太一氏から「団塊の世代」と名づけられたように、日本社会にあって常に一大ボリュームゾーンを形成し、文化・風俗や産業のあり方に少なからぬ影響を与え続けてきました。
例えば、テレビっ子世代、マンガ世代、ビートルズ世代、全共闘世代、ニューファミリー世代といった彼らの〝別名〟を見ても、戦後日本の歩みを象徴する存在であることがうかがわれます。
現在でも、その人口は約676万人。これは、日本人総人口約1億2617万人(ともに2004年10月1日現在の総務省統計局推計による)の5%強に相当します。これだけのボリュームゾーンが2007年以降続々と定年退職するのですから、各所で「2007年問題」が真剣に論じられるわけです。
一方、いよいよ団塊世代の高齢者市場参入が間近に迫ってきたことで、産業界の側からも、彼らの新たなライフスタイルや消費行動に対して熱い視線が注がれています。
(社)全国清涼飲料工業会もまた、60歳を間近にしたこの世代の高齢化時代に向けた意識(特に食や清涼飲料に関する消費者意識)がどのようなものであるかを探る上で最適のタイミングと考え、この「清涼飲料総合調査」を行いました。団塊世代を対象にした同様の調査は10年前の1995年にも行っており、本調査の実施により、10年前と比べ清涼飲料ニーズに変化が見られることなども明らかになりました。
調査項目は、食生活や環境問題意識など多方面にわたりましたが、本リポートでは、誌面の都合上、清涼飲料ニーズに関する項目のみ紹介します(本文で引用するグラフの調査対象者は、首都圏・阪神圏在住の1947年〜1949年生まれの男女)。
ライフスタイルの変化に伴う清涼飲料の飲用場面の変化
清涼飲料をどんな時に飲むのか、「飲用場面」(複数回答)のベスト3となったのは、「ドライブ・ハイキングなど行楽の時」(49・2%)「スポーツなどで汗をかいた時」(41・5%)「仕事、授業、家事の合間」(39・6%)でした。この順は10年前の調査と変わっていません。しかし、次ページの[表1]で明らかなように、1位の「行楽」、2位の「スポーツ」ともに、この10年間で大きくポイントを下げています。
かわって、10年前と比べて大きくポイントを伸ばしたのが、食事時の飲用です。「昼食時、またはその前後」(8・7%→34・1%)、「朝食時、またはその前後」(7・2%→24・8%)、「夕食時、またはその前後」(7・2%→20・4%)と、軒並み2倍以上の伸びを示しています。ほかに、「リラックスしたい時」「ちょっと疲れた時」「おやつの時」など、一息つく場面での飲用も目立って増えています。
また、「冷蔵庫の常備飲料」にも10年前との違いが見られました。こちらも、ベスト3は、「牛乳」(83・0%)「ビール」(66・6%)「麦茶(自家製)」(52・9%)と、2位、3位は逆転したものの10年前と変わりません。しかし、[表2]でおわかりのように、こちらもベスト3は10%前後ポイントを落としています。
逆に2倍以上の伸びを示したのが、「スポーツドリンク」(14・0%→29・1%)、「緑茶飲料(市販品)」(1・9%→19・2%)、「緑茶(自家製)」(8・7%→18・6%)、「麦茶飲料(市販品)」(3・9%→10・8%)。ほかにも「ミネラルウォーター」「野菜ジュース」「コーヒー飲料」「ウーロン茶飲料(市販品)」などがポイントを伸ばしています。
ここで興味深いのは、市販の麦茶飲料が伸びる中、自家製麦茶がポイントを落としているのに対し、市販の緑茶飲料の常備が10倍増する中、自家製緑茶を冷蔵庫に常備する(つまり冷やして飲む)人もまた増えていることです。
「緑茶及び緑茶系清涼飲料の飲み方、利用の仕方が10年間で変化したか」をたずねた項目でも、その第1位に挙げられたのが「以前は緑茶は温かいものだけを飲んでいたが、冷たい緑茶も作って飲むようになった」で、団塊世代の43・0%が、この選択肢に○をつけています。2位は「緑茶を自分でいれる代わりに容器入りの緑茶系清涼飲料を飲むようになった」で28・2%。
購入のポイントは飲み慣れた味とメーカー名・ブランドの知名度
団塊の世代は、各種の流行現象、トレンドにも敏感な層として、さまざまな消費市場をリードしてきました。清涼飲料とのつきあいも、炭酸飲料が一世を風靡した1960年代頃から40年あまりに及びます。では、清涼飲料を購入する際には、どんな点を重視しているのでしょうか。それを食品との対比で示したのが[グラフ1]です。
清涼飲料購入の際に重視する点のベスト3は、「食べ(飲み)なれた味(商品)かどうか」(56・7%)「メーカー名・ブランドの知名度」(45・8%)「価格の安さ」(41・5%)となっています。
これに対し、食品を購入する際の重視点は、「鮮度」(86・4%)「賞味期限・消費期限」(74・9%)「安全性」(64・1%)と、大きく異なっています。
もっとも、同じ団塊の世代でも、清涼飲料購入の際の重視点に関しては、男女間で若干の違いが見られます。「価格の安さ」(男性33・3%、女性49・4%)、「賞味期限・消費期限」(男性27・7%、女性43・3%)、「原材料名、添加物名」(男性14・5%、女性30・5%)、「鮮度」(男性9・4%、女性22・0%)などの点に関しては、女性のほうが男性に比べて重視する人が10%以上増えています。
「清涼飲料の購入先」としてベスト3にランクされたのは「スーパー」「自販機」「コンビニ」でしたが、ここでも[グラフ2]に示されるように、男女間で違いが見られました。
男性は、「自動販売機」(72・3%)「スーパー」(64・8%)「コンビニエンスストア」(64・2%)となっていて、3位の「コンビニ」と4位の「ディスカウントストア」(25・8%)との間には、利用率に大きな開きが見られたのに対し、女性は、「スーパー」(82・9%)「自動販売機」(51・2%)「コンビニエンスストア」(32・3%)と1、2位が逆転し、3位の「コンビニ」と4位の「ディスカウントストア」(28・0%)との間は微差にとどまっています。男女間での違いを決定づけているのは、コンビニ利用率の違いで、男性の利用率は女性のほぼ倍を数えました。
【団塊世代調査対象:首都圏・阪神圏在住の1947〜1949年生まれの男女】
飲料選択におまかせだった男性の嗜好が主張されつつある
本調査では、団塊世代の特徴的な傾向があるのかを探るため、団塊世代の10歳上の世代を「戦中世代」、同じく10歳下の世代を「谷間世代」と名づけて、その二つの世代にも同じ項目の調査を行いましたが、ほとんどの質問項目で世代間の差はそれほど明らかになりませんでした。むしろ、世代を超えて、男女間の差が随所に見られる結果となりました。
最後に、団塊世代における男女間の違いを示したデータの中から興味深い例として「食品・飲料購入時の決定権」、つまり誰が買う品物・銘柄を決めるのかを示したデータを紹介しましょう。
この質問項目は、「生鮮食品」「加工食品・調味料類」「菓子」「コーヒー、紅茶類」「清涼飲料」の5品目について、「全部自分で決める」「ほとんど自分で決める」「半分くらい自分で決める」「たまに口を出す程度」「ほとんどまかせている」の5段階で自己評価してもらったものです。
女性の場合、すべての品目で「たまに口を出す程度」「ほとんどまかせている」の合計ポイントは10%に達しませんでしたが、男性の場合、両者の合計ポイントは軒並み80%を計上。ただし、清涼飲料に関しては「たまに口を出す程度」(18・9%)「ほとんどまかせている」(42・1%)と、ほかの品目に比べ、比較的自分で決める傾向の強いことが明らかになりました。
ちなみに、10年前の調査では、清涼飲料に関しても「たまに口を出す程度」(18・2%)「ほとんどまかせている」(67・7%)と、ほかの品目と変わらぬ〝おまかせぶり〟が示されていました。
【団塊世代調査対象:首都圏・阪神圏在住の1947〜1949年生まれの男女】















