ソフトドリンクLIFE
清涼飲料おもしろランキング—3
飲料から地域の嗜好が見える!?
株式会社ナンバーワン戦略研究所所長
矢野 新一
ミネラルウォーターを日本一飲んでいるのは水にこだわる神奈川県
大都市圏が上位に並ぶのはなぜ?
地域マーケティングの専門家で、各都道府県や地域に合ったマーケティング戦略をコンサルティングしている。また、県民性研究の第一人者として、テレビ出演、講演、雑誌監修等で活躍。著書に『県民性は7392 通り!』(H&I)、『都道府県別ヒット商品の法則』(青春出版社)ほか多数。
近年、清涼飲料市場で伸びが目立つのはミネラルウォーター。おいしい水を飲みたい、もしくは健康や美容を意識する人が増えていることが原因だ。このミネラルウォーターを最も飲んでいるのは神奈川県。支出金額は1か月234円で、2位の東京都の230円をわずかに上回っての1位。以下、沖縄、埼玉、千葉、愛知、大阪と、沖縄を除くと、「水道水がおいしくなさそう」なイメージの大都市圏が上位に並ぶ。
意外にも「おいしい水」自慢の地域
しかし、神奈川県の横浜市はわが国最初の近代水道の発祥地であり、昔から水がおいしいと言われた地域。横浜の水道水の水源のひとつ、道志川の上流水を詰めた「はまっ子どうし」を発売している横浜で、ミネラルウォーターがよく飲まれているというのはオドロキである。神奈川でも横浜の人は、新しいもの好きで、加えて舶来品好きなので、ミネラルウォーターでも輸入品や新製品を買っており、横浜郊外の東京や横浜のベッドタウン地域の人は、流行に敏感なタイプだから、トレンドのミネラルウォーターを飲んでいるのではないか?
2位の東京も高度浄水処理を導入して、「東京水」(水道水から塩素を除いたもの)を売り出しているほど、水がおいしくなった地域。6位の愛知も、浄水器メーカーに言わせると「名古屋は水がおいしいから、浄水器が売れない」ところ。実際、名古屋の水道の水源は、「名水百選」に選ばれた木曽川であり、平成 18年度の市政世論調査において、名古屋の誇れるものの第2位に「水道水がおいしい」が選ばれている。沖縄は1994年度から北谷浄水場で高度浄水処理を導入、大阪は全国に先駆けて導入、2000年の春には全浄水場で実施して「大阪の水はうまくなった」と言われた。
キーワードは「水に対するこだわり」
こうして見てくると、神奈川、東京、愛知、大阪は、水がおいしい、あるいは水がおいしくなった地域ゆえ、「水に対するこだわり」が強くなって、ミネラルウォーターをよく飲むのではないか? もはや、ミネラルウォーターは水道水の代替需要とは言えなくなりつつあるのだ。逆に、最も飲まない石川県は新しいものが苦手なのだろうか。
都道府県別ミネラルウォーターの1世帯当たり1か月間の支出(単位:円)
総務省:平成16年全国消費実態調査「地域、品目別1世帯当たり1か月間の支出」より















