世界の清涼飲料事情
ノンフィクション作家
山根一眞
第2回 高山病から救ってくれた特効薬の正体は?!—炭酸飲料[ペルー]
一九七二年の秋、二十五歳の私は、ペルーの首都、リマからバスに乗りアンデス山脈の高地に向かった。だが標高四千八百十八メートルの峠でバスが故障、立ち往生した。やがて経験したことのない激しい頭痛に襲われた。たどり着いた町の小さなホテルのベッドに倒れ込んだが、激しい頭痛は朝まで続きもうダメかと…。その私を救ってくれたのが、当地の日系人のオバサマだった。「高山病ね、簡単に治るわよ」と、私をホテルから連れ出し薬局で買った大粒の錠剤をコップの水に落とした。シュワーッと泡が上がりできた炭酸飲料風のものを飲み干してほどなく、あの激頭痛が解消したのだ。不思議。あれは、一体何だったのか?
数年後、ある生命科学者にこんな話を聞いた。「炭酸飲料を飲むと二酸化炭素の血中濃度が上昇、体はバランスをとるためより多くの酸素を取り込むんです」と。それがホントなら、炭酸飲料によって私の酸素不足=高山病が治ったことになるのだが…。
イラスト:はらこうへい















