ソフトドリンクLIFE
清涼飲料と健康のおいしい話
九州大学大学院 医学研究院 統合生理学助教
高木厚司(たかきあつし)
お茶でインフルエンザ予防──「カテキン」で「菌に勝て!?」
強い抗菌作用をもつカテキン
1959年生まれ。愛知県出身1984 年九州大学医学部心療内科に入局。専門は、環境生理学、心身医学。2001年に簡易の遺伝子損傷評価法を開発し、「食」「環境」「健康」分野の総合コンサルティング事業を展開。2004年より(株)TAS プロジェクト(Total Analysis & Solutions)の代表取締役を兼業。
今年もインフルエンザ(流感)のシーズンがやってきました。
特にインフルエンザが恐れられているおもな理由は、(1)空気感染で爆発的に流行し、(2)体内に侵入した病原ウイルスを駆除できる薬がない、ことです。したがって、医療現場ではもっぱら予防対策に重点がおかれ、まず、流行する前にできるだけ多くの人にワクチンを接種して、インフルエンザに対する抗体を誘導します。そして、万が一、感染した際も初期の段階で「タミフル」や「リレンザ」を投与して、ウイルス増殖を抑止することが基本となります。最近では、罹患した本人だけでなく、同居家族への予防投薬も保険適応となりました。逆にいえば、それだけ家族内感染の確率が高いことを意味します。
そこで、あらためて注目されるのが日常生活における予防対策。手洗いやうがい、室内の加湿やマスク等の有用性はいうまでもありませんが、ここで特に注目したいのがお茶の効用です。お茶に含まれる「カテキン」には、インフルエンザを含むさまざまな菌種に対して、強い殺菌作用があります。つまり、飲用やうがいによって、これらの菌の体内侵入を防ぐ効果が期待できるわけです。実際、食中毒の集団感染の事例では、お茶飲用の有無で感染リスクが異なることが報告されています。最近では、抗菌性のフィルターや消臭剤、洗剤などにカテキンが添加されているものをよく見かけます。また、茶殻の出ない粉末茶は、食あたり予防、うがい薬、場合によっては傷口殺菌薬としても利用できる優れものです。特に、海外旅行で旅行者は重宝します。
ほうじ茶にはリラックス効果も
ところで、お茶にはカテキン以外に「カフェイン」が比較的多く含まれています。こちらは、大脳の覚醒作用、筋収縮力の増強や利尿作用、気管支拡張作用等が有名です。じつは、カフェインは市販の風邪薬にもよく含まれている成分で、カテキンとの組み合わせは総合感冒薬そのもの。しかし、もし、カフェインの効果が強すぎて不眠や不整脈などが起こる場合は、茶葉を高温で焙煎した「ほうじ茶」のほうが良いかも知れません。カフェインが消失するだけでなく、リラックス効果の強い「テアニン」という共存する旨味成分(アミノ酸)が際だち、安眠飲料としておすすめとなります。
お茶を飲む習慣は、唐の時代の中国に始まり、鎌倉時代に栄西禅師(臨済宗)によって日本にもたらされた、最も歴史と伝統のある健康飲料の文化そのものといえるかもしれませんね。
















