水資源保全への清涼飲料業界の取り組み
<水質保全>
水質を保全していくために会員企業では厳しい自主管理基準を設けるなど、水資源活用による環境への負荷を低減しています。
飲料業界各社は、水を扱う企業の社会的責任として排水の水質管理など水質保全を徹底しています。工場、事業所から河川などへの排水には、水質汚濁防止法や地区の条例などに基づいたさまざまな規制がありますが、多くの企業は規制値よりもはるかに厳しい自社管理基準を設け、水利用に伴う環境への負荷をできる限り取り除くことに取り組んでいます。これら排水の一部は、農業用水などにも再利用され、水資源の循環にも役立っています。
●アサヒ飲料
富士山工場は、富士山の豊かな自然と共生するクリーンな森林工場を目指し、脱フロンのアンモニア冷凍機、嫌気性排水処理で発生するメタンガスをボイラー燃料に再利用、氷蓄熱設備による夜間電力利用(電力需要の平準化に貢献)など、環境負荷の少ない設備導入を推進しています。また明石工場に続き、小型PETボトルの自社製造・無菌充填システムを採用しました。これによりさらに、PET原料の省資源化、トラック輸送台数削減に貢献しています。
2002年には廃棄物再資源化100%を達成しました。またISO14001は2006年7月に認証取得しました。
●コカ・コーラシステム
飲料会社として水に対する企業の社会的責任をさらに明確にするため、「水資源管理プロジェクト」を掲げ、世界中で取り組んでいます。工場では製造工程の水の使用量を徹底管理するとともに、使用した水の浄化、循環利用に努めています。より厳しい基準により排水管理の強化を図っています。
2006年度の水使用量は、コカ・コーラグループとして2,600万m3、排水量は1,686万m3と増加、製造における水の原単位(※)は6.31と前年に比べ微増となりました。これは、生産品目の変化によるところが大きく、茶系飲料など抽出工程のある非炭酸飲料の生産量が増大したことによるものです。また、製品の品質に対する要求基準の一層の高まりを受け、品質管理のさらなる徹底も増加の要因です。
※製品生産量1ℓあたりの水使用量

日本コカ・コーラ 水への取り組みより
北海道コカ・コーラボトリング札幌工場の排水処理システムは自然界における微生物の自己浄化サイクルを利用した「ラグーン処理方式」による排水を行っています。そのサイクルとは、まず、排水中の汚染物質である有機物が微生物に取り込まれて酸化分解され、次にその微生物は異化作用により自己消化します。死んだ微生物は排水の流入物質とともに他の微生物によって摂取分解されます。このサイクルを処理槽で長時間の曝気と滞留を行いながら繰り返すことで、余剰汚泥 を発生させず、安定した良好な水質を維持しています。

札幌工場の排水処理施設と運転中のエアレーター
コカ・コーライーストジャパンプロダクツの多摩工場では、2006年10月から日本初となる、新しい水処理設備の稼働を開始しています。排水を高汚濁、低汚濁に分け、それぞれの排水を効率的かつ省エネルギー、省スペースで処理しています。高汚濁排水に含まれる汚泥から発生するバイオガスを蒸気に変え、そのエネルギーを工場内で再利用しています。低汚濁排水から出る汚泥は、従来通り肥料などに再利用しています。多摩工場では、東京都環境局の要請をふまえ、厳しい基準で浄化した水を近隣の河川に放流しています。河川の浄化に貢献するとともに、魚などが生息するための河川の流量の確保にもつながっています。
●サントリー
コーヒーやお茶などの飲料を生産しているサントリー木曽川工場(愛知県)は、2006年に嫌気性排水処理設備を導入しました。飲料は品目により排水中の有機分の濃度が大きく異なるため、排水処理設備にかかる負担も変動する特徴があります。嫌気性排水処理設備は従来の方式に比べ、負荷の変動に対応しやすいうえ稼働に必要な動力が少なくてすみます。さらに、処理にともない発生するメタンを主成分としたバイオガスを、ボイラー燃料として使用できることや汚泥の発生量が少ないといったメリットがあります。
この設備の導入により、従来から処理能力が増加し生産が集中して排水負荷が高くなった場合にも安定的に処理ができ、これまで以上に市場の需要に対応した 飲料生産が可能になりました。また、汚泥の発生量が従来比40%の削減となったことで、廃棄物発生量も削減できました。さらに、処理により発生したバイオ ガスを燃料とするボイラーを導入し、排水処理設備の加温、工場内の熱源などに利用し、省資源・省エネルギーにも寄与しています。
●ジャパンフーズ
日本たばこ産業の関係会社であるジャパンフーズでは、工場の排水を近隣農家の農業用水として利用していただくために、長柄町および近隣農家と締結した「排水に関する上乗せ排出基準」を設け、厳しい排出水管理を行っています。
●ヤクルト
工場での工場排水の処理を、従来の活性汚泥処理法から「ヤクルト容器利用水浄化システム」による処理への切り替えを進め、工場のうち佐賀、京都、札幌、福島、福山、富士裾野の6工場で導入しています。全面切り替えが完了している佐賀工場では、BOD1.5mg/r(BOD除去率99.7%)、脱窒率84%という極めて高い浄化性能を確認しています(通常の運用は現地の排水基準に準じ、BOD4~5mg/r)。同システムによる工場排水処理の最大の成果は、従来の活性汚泥処理方式より余剰汚泥の発生量を約12分の1に抑えられることです。そのため、ランニングコストを活性汚泥方式の約半分に低減できるほか、メンテナンスが容易というメリットもあります。











